元東京高等裁判所の裁判官・朝山芳史氏について、インターネット上では「何人なのか」「帰化した人物なのか」といった国籍や出自に関する情報が見られます。
結論から整理すると、朝山芳史氏が裁判官として任命されていたことから、少なくとも裁判官任官時に日本国籍を有していたとみるのが妥当です。
一方で、出生時から日本国籍だったのか、帰化によって日本国籍を取得したのか、両親の国籍や民族的な出自がどうなのかについては、確認できる公的な資料がありません。
したがって、「帰化人である」「帰化人ではない」「中国系である」といった点については、いずれも公開情報だけでは断定できません。
また、朝山氏の名前が近年SNSで再び取り上げられている背景には、2019年に中国籍女性が被告となった浜松5人死傷事件で、東京高裁が一審の懲役8年判決を破棄し、逆転無罪を言い渡したことがあります。
この記事では、国籍・帰化に関して確認できることと確認できないこと、朝山氏が担当した裁判、経歴について事実を整理します。
朝山芳史は何人?国籍・帰化について確認できること
まず、朝山芳史氏の国籍や出自について、公開情報から判断できる範囲を整理します。
| 項目 | 確認結果 |
|---|---|
| 裁判官在任中の国籍 | 日本国籍を有していたとみるのが妥当 |
| 出生時の国籍 | 公開資料では確認できない |
| 帰化歴 | 公開資料では確認できない |
| 両親の国籍 | 公開資料では確認できない |
| 民族的出自 | 公開資料では確認できない |
| 出身大学 | 東京大学法学部 |
| 元職 | 東京高裁部総括判事など |
裁判官は日本国籍を有する必要があるとされている
日本の裁判所法には、裁判官の任命資格や欠格事由が規定されています。
裁判所法そのものに「日本国籍を有する者」と明記した単純な国籍条項が置かれているわけではありません。
一方、2022年12月8日の参議院法務委員会で、政府参考人は、裁判官は司法権を行使する公務員であり、日本国籍を有しないことは裁判官の欠格事由になるとの政府見解を示しています。
朝山氏は1981年に東京地裁判事補となり、その後、東京高裁部総括判事などを歴任しています。
このため、少なくとも裁判官として任命された時点では日本国籍を有していたと考えるのが妥当です。
日本国籍があっても出生時の国籍や帰化歴までは分からない
ただし、日本国籍を持っていることと、出生時から日本国籍を持っていたことは同じ意味ではありません。
国籍法では、外国人が法務大臣の許可を受けて帰化し、日本国籍を取得する制度が定められています。
| 分かること | それだけでは分からないこと |
|---|---|
| 日本国籍を有している | 出生時から日本国籍だったか |
| 日本の裁判官を務めていた | 過去に別の国籍を有していたか |
| 東京大学を卒業した | 本人や両親の国籍・出自 |
朝山氏について、帰化したことを示す信頼できる公開資料は今回確認できませんでした。
同時に、「帰化していない」と証明する公開資料も確認できません。
したがって、帰化歴については「公開情報からは確認できない」とするのが正確です。
司法修習生は現在、日本国籍が必須ではない
「日本の司法修習を受けたから日本国籍である」という説明にも注意が必要です。
現在の司法修習生採用選考では、日本国籍を必須とする国籍条項はありません。
2009年11月期の採用選考要項から国籍に関する記載が削除されています。
それ以前にも、最高裁判所は一定の外国籍の司法試験合格者について、個別判断で司法修習生として採用していました。
| 資格・職 | 国籍について |
|---|---|
| 司法試験 | 外国籍でも受験可能 |
| 司法修習生 | 現在の採用基準に日本国籍の必須条項なし |
| 裁判官 | 政府見解では日本国籍を有しないことが欠格事由 |
東京大学卒業は国籍や出自を示す根拠ではない
朝山芳史氏は1979年に東京大学法学部を卒業しています。
しかし、東京大学を卒業したという学歴から、本人の国籍、出生時の国籍、帰化歴、両親の出自などを判断することはできません。
学歴と国籍・出自は別の情報として扱う必要があります。
朝山芳史氏と中国籍女性の浜松5人死傷事件
朝山氏の国籍や出自に関する投稿とともに、現在SNSで繰り返し取り上げられているのが「浜松5人死傷事件」です。
この事件では被告人が中国籍の女性だったため、朝山氏自身の国籍や出自と結びつける投稿も見られます。
しかし、被告人の国籍と裁判官本人の国籍・出自は別の問題です。
浜松5人死傷事件の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 事件発生 | 2015年5月2日 |
| 場所 | 静岡県浜松市の交差点 |
| 被告人 | 中国籍の女性 |
| 被害 | 1人死亡・4人負傷 |
| 主な罪名 | 殺人、殺人未遂など |
| 一審 | 懲役8年 |
| 控訴審 | 無罪 |
| 控訴審裁判長 | 朝山芳史氏 |
2015年5月2日、浜松市中心部の交差点で乗用車が歩行者に突っ込み、女性1人が死亡し、4人が負傷しました。
運転していたのは中国籍の女性で、殺人や殺人未遂などの罪に問われました。
一審は懲役8年
2017年11月、静岡地裁浜松支部の裁判員裁判は、被告人に懲役8年を言い渡しました。
一審は、被告人に殺意と完全責任能力があったと認定しました。
なお、ネット上にはこの事件について「一審で死刑判決が出た」とする情報もありますが、これは事実ではありません。
一審判決は死刑でも無期懲役でもなく、懲役8年です。
東京高裁は心神喪失として逆転無罪
2019年8月29日の控訴審では、朝山芳史氏が裁判長を務めた東京高裁が一審判決を破棄し、無罪を言い渡しました。
東京高裁は、事件当時、被告人の統合失調症が悪化しており、行為を制御する能力が残っていたかについて合理的な疑いがあるとして、心神喪失状態だったと判断しました。
| 審級 | 判断 | 責任能力 |
|---|---|---|
| 静岡地裁浜松支部 | 懲役8年 | 完全責任能力を認定 |
| 東京高裁 | 一審破棄・無罪 | 事件当時は心神喪失と判断 |
遺族側は判決後、上告を求める署名活動を行いましたが、検察側は上告せず、無罪判決が確定しました。
刑法では心神喪失者の行為は罰しない
刑法39条1項では、「心神喪失者の行為は、罰しない」と定められています。
そのため、この事件の控訴審で法的な争点となったのは、被告人が中国籍であることではなく、事件当時に刑事責任能力があったかどうかでした。
一審と控訴審では、この責任能力について異なる判断が示されました。
朝山芳史氏の国籍と浜松事件を結びつける根拠は確認できない
浜松5人死傷事件の被告人が中国籍だったことは確認できます。
また、朝山氏が裁判長を務めた東京高裁が逆転無罪を言い渡したことも事実です。
一方で、この判決と朝山氏自身の出自や中国との関係を結びつける公的資料や判決資料は確認できません。
| 情報 | 確認結果 |
|---|---|
| 被告人が中国籍だった | 確認できる |
| 朝山氏が控訴審裁判長だった | 確認できる |
| 朝山氏が無罪判決を言い渡した合議体の裁判長だった | 確認できる |
| 朝山氏が中国系である | 確認できる資料なし |
| 朝山氏が帰化した | 確認できる資料なし |
| 中国籍の被告人だったことが判決理由に影響した | 判決理由からは確認できない |
そのため、判決結果への評価と、裁判官本人の国籍や出自についての事実確認は分けて考える必要があります。
朝山芳史氏の経歴
朝山芳史氏は1955年5月2日生まれで、東京大学法学部を卒業しています。
その後、裁判官として各地の裁判所に勤務しました。
| 時期 | 主な経歴 |
|---|---|
| 1979年 | 東京大学法学部卒業 |
| 1981年 | 東京地裁判事補 |
| 1983年~ | 最高裁刑事局付 |
| 1999年~ | 最高裁判所調査官 |
| 2003年~ | 大阪地裁部総括判事 |
| 2006年~ | 東京地裁部総括判事 |
| 2010年~ | 横浜地裁部総括判事 |
| 2013年~ | 高知地方・家庭裁判所長 |
| 2015年~2020年 | 東京高裁部総括判事 |
| 2020年5月2日 | 定年退官 |
| 2021年4月~2026年3月 | 上智大学法学研究科法曹養成専攻 教授 |
詳しい歩みについては、朝山芳史氏の現在と経歴をまとめた記事もあわせてチェックしてみてくださいね。
2020年に裁判官を定年退官
朝山芳史氏は2020年5月2日、東京高裁部総括判事を定年退官しました。
退官時の年齢は65歳でした。
上智大学教授は2026年3月まで
退官後は2021年4月から上智大学法学研究科法曹養成専攻の教授を務めました。
研究者情報によると、上智大学教授としての在職期間は2026年3月までです。
そのため、2026年9月現在の記事で「現在は上智大学教授」とするのは正確ではありません。
研究者情報では、刑事法学を研究分野として、退官後も刑事裁判に関する論文や判例解説を発表していることが確認できます。
朝山芳史氏について確認できる情報・確認できない情報
最後に、ネット上で見られる情報と公開資料で確認できる内容を整理します。
| 情報 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 日本の裁判官だった | 確認できる | 官報等を基にした裁判官異動記録あり |
| 東京大学法学部卒業 | 確認できる | 大学・研究者情報に記載 |
| 裁判官任官時に日本国籍を有していた | 妥当と考えられる | 政府見解では外国籍は裁判官の欠格事由 |
| 出生時から日本国籍だった | 確認できない | 出生時国籍の公開資料なし |
| 帰化した | 確認できない | 信頼できる公開資料なし |
| 帰化していない | 確認できない | それを証明する公開資料もなし |
| 中国系である | 確認できない | 出自を示す資料なし |
| 浜松事件の被告人が中国籍 | 確認できる | 当時の報道に記載 |
| 浜松事件で逆転無罪 | 確認できる | 2019年東京高裁判決 |
公開されていない国籍履歴や家族の出自について、氏名、学歴、担当判決などから推測することはできません。
一方、判決内容について疑問や批判がある場合は、裁判で認定された事実や責任能力の判断、適用された法律を個別に確認することができます。
朝山芳史 何人 国籍に関するQ&A
まとめ:朝山芳史氏の国籍・帰化歴は分けて確認する必要がある
| ポイント | 結論 |
|---|---|
| 裁判官時代の国籍 | 日本国籍を有していたとみるのが妥当 |
| 帰化歴 | 公開情報では確認できない |
| 出生時の国籍 | 公開情報では確認できない |
| 中国系という情報 | 裏付ける資料を確認できない |
| 浜松事件の被告 | 中国籍女性 |
| 浜松事件一審 | 懲役8年 |
| 浜松事件控訴審 | 心神喪失を認定し逆転無罪 |
| 現在 | 裁判官は退官済み。上智大学教授も2026年3月まで |
朝山芳史氏は、長年にわたって日本の裁判官を務め、東京高裁部総括判事などを歴任しました。
政府見解では外国籍は裁判官の欠格事由とされているため、朝山氏が裁判官として任命されていた時点で日本国籍を有していたとみるのが妥当です。
ただし、日本国籍を持つことだけでは、出生時の国籍や帰化歴、家族の出自までは分かりません。
朝山氏については、帰化したことを示す資料も、帰化していないことを証明する公開資料も今回確認できませんでした。
また、2019年の浜松5人死傷事件では、中国籍女性に対して朝山氏が裁判長を務めた東京高裁が逆転無罪判決を言い渡しています。
一審は懲役8年で、東京高裁は事件当時の被告人を心神喪失状態だったと判断しました。
この判決についての評価と、朝山氏自身の国籍や出自に関する事実は分けて扱う必要があります。
確認できない個人情報について推測を加えず、公表されている経歴、判決内容、法制度をそれぞれ分けて確認するのが適切です。

