元東京高等裁判所の裁判官・朝山芳史さんについて、「現在は何をしているの?」「今も裁判官なの?」と気になっている人もいるのではないでしょうか。
朝山芳史氏は2020年5月2日に東京高等裁判所の部総括判事を定年退官しており、現在は裁判官ではありません。
退官後の2021年4月から2026年3月までは、上智大学法学研究科法曹養成専攻の教授として、長年の裁判実務経験を教育・研究に生かしていました。
2026年4月に更新された研究者情報では、「早稲田大学 法学研究科博士後期課程」が所属として掲載されています。
まずは現在までの状況を表で整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 朝山 芳史(あさやま よしふみ) |
| 元職 | 裁判官 |
| 退官時の役職 | 東京高等裁判所 部総括判事 |
| 定年退官 | 2020年5月2日 |
| 退官後 | 上智大学法学研究科法曹養成専攻 教授 |
| 上智大学教授の在職期間 | 2021年4月~2026年3月 |
| 2026年の公開研究者情報 | 早稲田大学 法学研究科博士後期課程 |
| 研究分野 | 刑事法学 |
朝山芳史氏の現在|2026年は何をしている?
朝山芳史氏は、すでに裁判官を退官しています。
その後は長年の刑事裁判の経験を生かし、大学での教育や刑事法学に関する研究・執筆活動を行ってきました。
上智大学教授は2026年3月まで
朝山芳史氏は2021年4月、上智大学法学研究科法曹養成専攻の教授に就任しました。
上智大学法科大学院では実務家教員として、刑事法総合、刑事訴訟法、刑事実務、模擬裁判などを担当していました。
ただし、研究者情報では上智大学教授としての在職期間は2021年4月から2026年3月までとされています。
そのため、2026年9月現在の記事で「現在は上智大学教授」とするのは古い情報になります。
| 期間 | 立場 |
|---|---|
| ~2020年5月 | 東京高裁部総括判事 |
| 2020年5月 | 裁判官を定年退官 |
| 2021年4月~2026年3月 | 上智大学法学研究科法曹養成専攻 教授 |
| 2026年4月更新情報 | 早稲田大学 法学研究科博士後期課程が所属として掲載 |
2026年の研究者情報では早稲田大学の所属が掲載
科学技術振興機構が運営する研究者情報データベース「J-GLOBAL」の2026年4月5日更新情報では、朝山芳史氏の所属機関・部署として「早稲田大学 法学研究科博士後期課程」が掲載されています。
ただし、ここでは「教授」「研究員」などの職位は表示されていません。
そのため、現在については「早稲田大学教授」などと推測で肩書きを付けず、公開情報どおりに紹介するのが正確です。
研究分野については「刑事法学」と登録されています。
退官後も刑事法に関する論文を発表
裁判官を退官した後も、朝山芳史氏は刑事法に関する論文や判例解説を発表しています。
| 発表年 | 主な論文・解説 |
|---|---|
| 2022年 | 「裁判員裁判」 |
| 2023年 | 「最高裁判例と裁判員裁判―正当防衛をめぐって」 |
| 2024年 | 「経済刑法をめぐる裁判実務上の諸問題」 |
| 2024年 | 「控訴審による破棄自判と事実の取調べ」 |
| 2025年 | 「違法収集証拠排除法則の回顧、現状と展望」 |
裁判官として培ってきた実務経験を生かし、退官後も刑事裁判や刑事訴訟に関する研究を続けていることが分かります。
引退後の過ごし方については、二階俊博氏の現在についての記事でも触れていますが、公職を離れたあとのセカンドキャリアの築き方は人によってさまざまで興味深いですよね。
朝山芳史氏が裁判官を退官したのは2020年
朝山芳史氏が裁判官を退官したのは、2020年5月2日です。
最後の役職は東京高等裁判所の部総括判事でした。
高裁裁判官の定年は65歳
裁判官の定年は、すべて70歳というわけではありません。
| 裁判官 | 定年 |
|---|---|
| 最高裁判所裁判官 | 70歳 |
| 高等裁判所裁判官 | 65歳 |
| 地方裁判所裁判官 | 65歳 |
| 家庭裁判所裁判官 | 65歳 |
| 簡易裁判所裁判官 | 70歳 |
裁判所法第50条では、高等裁判所・地方裁判所・家庭裁判所の裁判官は65歳で退官すると定められています。
朝山芳史氏は東京高裁判事として2020年5月2日に定年退官しているため、2026年9月現在は71歳とみられます。
朝山芳史氏の裁判官としての経歴
朝山芳史氏は東京大学法学部を卒業後、長年にわたり各地の裁判所で勤務してきました。
主な経歴を時系列で整理すると、次のようになります。
| 時期 | 主な役職 |
|---|---|
| 1979年 | 東京大学法学部卒業 |
| 1981年~ | 東京地裁判事補など |
| 1999年~2003年 | 最高裁判所調査官 |
| 2003年~2006年 | 大阪地裁部総括判事 |
| 2006年~2010年 | 東京地裁部総括判事 |
| 2010年~2013年 | 横浜地裁部総括判事 |
| 2013年~2015年 | 高知地方・家庭裁判所長 |
| 2015年~2020年 | 東京高裁部総括判事 |
| 2020年5月 | 定年退官 |
| 2021年~2026年3月 | 上智大学教授 |
最高裁判所調査官や地裁の部総括判事、高知地方・家庭裁判所長、東京高裁部総括判事などを歴任しており、主として刑事事件を担当してきました。
朝山芳史氏が関わった注目度の高い裁判
朝山芳史氏の名前は、過去に担当した刑事裁判をきっかけに検索されることもあります。
特に知られている事件について、判決の経過を整理します。
乳腺外科医事件
大きな議論を呼んだ事件の一つが、乳腺外科医の男性が準強制わいせつ罪に問われた事件です。
一審の東京地裁は無罪としましたが、朝山芳史氏が裁判長を務めた東京高裁の合議体は2020年、一審判決を破棄し、懲役2年の有罪判決を言い渡しました。
ただし、この事件はそこで終わっていません。
| 時期 | 裁判所 | 判断 |
|---|---|---|
| 2019年2月 | 東京地裁 | 無罪 |
| 2020年7月 | 東京高裁 | 一審を破棄し懲役2年の有罪 |
| 2022年2月 | 最高裁 | 東京高裁判決を破棄し差戻し |
| 2025年3月 | 差戻し後の東京高裁 | 検察側の控訴を棄却し無罪 |
| 2025年3月26日 | ― | 東京高検が上告を断念し無罪確定 |
つまり、最高裁が直接無罪判決を出したわけではありません。
最高裁は2022年、東京高裁の有罪判決には審理不尽の違法があるとして判決を破棄し、東京高裁へ差し戻しました。
その後、2025年3月の差戻し控訴審で無罪となり、検察側が上告しなかったことで無罪が確定しています。
浜松市の5人死傷事件では逆転無罪
朝山芳史氏が裁判長を務めた判決として、2019年8月の浜松市の5人死傷事件も知られています。
事件は2015年、浜松市の交差点に乗用車が進入し、1人が死亡、4人が負傷したものです。
一審の静岡地裁浜松支部は被告人に完全責任能力があったとして懲役8年を言い渡していました。
これに対して東京高裁は、事件当時、被告人は統合失調症の影響により心神喪失状態だったと判断し、一審判決を破棄して無罪を言い渡しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 事件 | 浜松市の交差点での5人死傷事件 |
| 被害 | 1人死亡・4人負傷 |
| 一審 | 懲役8年 |
| 東京高裁 | 心神喪失と判断し逆転無罪 |
| 裁判長 | 朝山芳史氏 |
この判決については現在もSNSなどで取り上げられることがありますが、判決は被告人の国籍ではなく、事件当時の責任能力について証拠を基に判断したものです。
刑事法学者としての朝山芳史氏の研究
朝山芳史氏は、裁判官退官後も刑事法学に関する研究や執筆を続けています。
上智大学法科大学院の教員紹介やこれまでに発表した論文を見ると、次のようなテーマに取り組んできたことが確認できます。
| 分野 | 内容 |
|---|---|
| 刑事訴訟法 | 刑事裁判の手続や控訴審など |
| 裁判員裁判 | 裁判員裁判における事実認定や制度運用 |
| 共犯論 | 共同正犯など刑法上の問題 |
| 経済刑法 | 租税犯罪など経済活動に関係する刑事法 |
| 違法収集証拠排除法則 | 違法な捜査によって得られた証拠の扱い |
違法収集証拠排除法則についても論文を発表
2025年には、「違法収集証拠排除法則の回顧、現状と展望」と題した論文を『上智法学論集』に発表しています。
違法収集証拠排除法則とは、捜査機関が違法な方法で取得した証拠を刑事裁判でどこまで使用できるのかという重要な問題です。
裁判官として刑事事件を長く担当してきた経験と、研究者としての視点の両方から刑事司法を研究していることが分かります。
裁判員裁判についても研究
朝山芳史氏は、裁判員裁判についても複数の論文・解説を発表しています。
裁判官時代には実際に裁判員裁判の裁判長を務めており、その実務経験を踏まえて制度について論じています。
2022年には『法学教室』の特集で「裁判員裁判」を執筆し、2023年には最高裁判例と裁判員裁判をテーマにした論文も発表しています。
朝山芳史現在に関するQ&A
朝山芳史氏の現在の状況について、よくある質問をまとめました。
まとめ:朝山芳史氏は裁判官を退官し刑事法の研究へ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 裁判官退官 | 2020年5月2日 |
| 最後の役職 | 東京高裁部総括判事 |
| 上智大学 | 2021年4月~2026年3月まで教授 |
| 2026年の所属情報 | 早稲田大学 法学研究科博士後期課程 |
| 現在の年齢 | 71歳とみられる |
| 研究分野 | 刑事法学 |
| 乳腺外科医事件 | 高裁で逆転有罪→最高裁が破棄差戻し→2025年に無罪確定 |
朝山芳史氏は、東京高裁部総括判事などを歴任し、2020年5月に裁判官を定年退官しました。
その後、2021年から2026年3月までは上智大学法科大学院の教授として、刑事法や刑事実務の教育・研究に携わっています。
2026年4月更新の研究者情報では、早稲田大学法学研究科博士後期課程が所属として掲載されており、研究分野は刑事法学となっています。
また、裁判官時代には乳腺外科医事件や浜松市の5人死傷事件など、社会的に注目された刑事事件の控訴審にも関わりました。
過去の判決については結果だけを見るのではなく、一審・控訴審・最高裁でどのような証拠評価や法的判断が行われたのかを分けて確認することが重要です。
朝山芳史氏についても、「現在も裁判官」「現在も上智大学教授」といった古い情報が残っているため、最新の研究者情報と過去の裁判記録を分けて確認すると現在の状況が分かりやすくなります。

