「地球は青かった」という言葉。有名な言葉なのですが、聞いたことはありますでしょうか?
この言葉は、人類初の有人宇宙飛行を果たした宇宙飛行士が地球を眺めながら発したと言われています。
しかし、実はその宇宙飛行士は英語でもロシア語でも「地球は青かった」などという言葉は言っていないのではないかと噂になっていました。
では実際は宇宙飛行士が言った言葉は何だったのか、「地球は青かった」と言ったのは実は誰なのか、気になる方もいらっしゃるでしょう。
本記事でまとめてみましたので、最後までお読みください。
「地球は青かった」は誰の言葉?
「地球は青かった」は誰の言葉なのでしょうか。
「地球は青かった」と言ったとされていたのは、ロシアの宇宙飛行士ユーリ・ガガーリンです。
1961年4月12日、ユーリ・ガガーリンはヴォストーク(ボストーク)1号にて、宇宙から地球を眺めることのできる人類初の有人宇宙飛行を果たしました。
「地球は青かった」は日本語ですので、てっきり英語で「The Earth is Blue(ジ・アース・イズ・ブルー)」と言ったか、あるいはロシア語で「Земля голубая (ゼムリャー ガルバヤー)」言ったのかと思っていたのですが、調べてみると全く違いました。
ロシアの宇宙飛行士ですからてっきりロシア語で「地球は青かった」と言ったと思っていたのですが、違いましたね
「地球は青かった」の原文は英語じゃなくてロシア語?
では、ユーリ・ガガーリンは何語でどのように言ったのでしょうか。
以下ユーリ・ガガーリンの言った言葉を抜粋してみました。
Надо сказать, продолжал он, что картина горизонта очень своеобразна и очень красива.
ユーリ・ガガーリンの言葉
Можно видеть необыкновенный по красочности переход от светлой поверхности Земли к совершенно черному небу, на котором видны звезды.
Переход этот очень тоненький, как бы пленка-поясок, окружающая земной шар. Она нежно-голубого цвета.
И вот весь этот переход от голубого к черному происходит необыкновенно плавно и красиво. Даже трудно передать это словами.
А когда я выходил из земной тени, то горизонт представлялся иным.
На нем была ярко-оранжевая полоска, которая затем переходила опять в голубой цвет и снова в густо-черный.
上記を日本語訳すると、
『地平線の景色は非常に特異であり、非常に美しいと言わねばなりません。
地球の明るい表面から完全に黒い空に至る色彩の変化は驚くべきものです。
この移行は非常に細かく、まるで地球を取り囲む薄いフィルムのようです。
それは優しい青色です。
そして、青から黒へのこのすべての移行は非常に滑らかで美しいのです。
言葉で表現するのさえ難しいほどです。
地球の影から出ると、地平線は異なって見えました。
そこには明るいオレンジ色のストライプがあり、それが再び青色に移り、そして再び濃い黒になっていました。』
となります。
詩的で美しい表現ですね。情景が目に浮かぶようです。
しかし確かに「地球は青かった」という文はありませんでした。
ではどこでどのように変わって「地球は青かった」に変わったのか気になりますね。
これに関しては、ソビエト連邦の新聞『イズベスチヤ(Izvjestjija)』によるガガーリンのコメント記事をベースに、日本の各新聞がこれを伝える際、「地球は青かった」のコピーで報じたものがのちにひとり歩きしたという説があります。
キャッチコピーの強さを感じますね
「地球は青かった」と実際に行った有名人は?
調べてみると実際に、「地球は青かった」に近い言葉を使った有名人が見つかりましたのでご紹介します。
それは、惑星科学者でボイジャー画像研究チームの一員でもあったカール・セーガン(Carl Sagan)です。
そして彼の生み出した言葉が「ペイル・ブルー・ドット(淡く、青い、点)」でした。
ボイジャーとはアメリカ航空宇宙局 (NASA) による太陽系の外惑星および太陽系外の探査計画であり、1977年に2機の無人惑星探査機ボイジャーを宇宙に送り出しています。
1990年ボイジャーにより、太陽から約60億キロメートル離れたところから、小さな点にしか見えない地球の姿が撮影され、「ペイル・ブルー・ドット」と広く知られるようになったのです。
NASAが写真を公開していますので、ぜひご覧ください。小さな青い星の写真が見られます。
NASAはサイトでもSNSでもたくさんの写真を公開してるから見ごたえがあるね
まとめ
「地球は青かった」という言葉は、ロシアの宇宙飛行士ユーリ・ガガーリンの名言とされていますが、実際にそのような言葉を語ったという記録はありませんでした。
機関紙のキャッチコピーから、「地球が青かった」と言う言葉がユーリ・ガガーリンの言葉として独り歩きしたと考えられています。
似たような言葉としては、カール・セーガンの「ペイル・ブルー・ドット」があります。
こちらは太陽から約60億キロメートル離れたところから撮影された、小さな点にしか見えない地球の姿の写真を見て、生み出された言葉だということです。